里山を100年先へつなぐ
Satoyama
風の森が生まれた頃から共に歩み続けてきた秋津穂米。
葛城山麓醸造所、通称 “山麓蔵” はこの秋津穂が育てられる葛城山麓の棚田の真ん中に位置します。この地は標高が約400mと高く灌漑用水が届かないため、山から湧き出でた山水のみで良質の秋津穂が育つ環境です。しかし、この地の里山は農家の高齢化や後継不足、農産物の生産性の低さゆえ、近年耕作放棄地などもみられ、その持続性に問題を抱えています。
お酒の力をこの問題に活かしたいという思いで2019年より酒蔵開業準備開始、ついに2024年“山麓蔵“を立ち上げることができました。この“山麓蔵”では、農家、酒蔵、酒屋、消費者が共生する「風の森里山コミュニティ」を創設することで、「里山を100年先へつなぐ」を実現したいと考えています。御所市山麓地域に根差し、100年先にこの地の里山をつなぎ、地域の方々と共に歩む酒蔵を目指します。
里山・農業の持続性を高め、
「里山を100年先へつなぐ」ための
山麓蔵の取り組み
S kaze no mori
この美しい棚田の真ん中にある山麓蔵で、醸造家自身が里山と共生し、葛城山麓の地の力を感じながら感覚を研ぎ澄ませ、この地で収穫された秋津穂米でその魅力を余すことなく「S風の森」として表現します。
山麓蔵こと、
葛城山麓醸造所
Sanrokugura
2024年、私達は新たに醸造所を建造しました。その名も、葛城山麓醸造所、通称 “山麓蔵” 。
山麓蔵は、私たちがS風の森を造るのに使用する秋津穂米が育てられる葛城山麓の伏見地区の棚田の真ん中に位置しています。
ただ酒造りをするだけに留まらず、御所市山麓地域に根差して新しい里山を持続的に守り育てるために多くの取り組みを行う拠点とします。
建築について
Architecture

棚田の風景に馴染む、吉野杉による平屋の木造建築。
御所まちに在住の建築家 吉村理氏に設計を依頼。地元の大工職人による建設、壁面の漆喰も地元の左官職人に手掛けていただきました。
「棚田と呼応する建物の形状とし、稲穂のリズムと合わせたランダムな開口部から、棚田に吹く風が抜ける建物にしました」
建築の力で、可視化しづらい葛城山麓地区の自然が生み出す農業と、酒蔵との関わりを視覚的に表現しています。
吉村理(よしむらただし)/ 建築家。
1975年生まれ。京都大学大学院、團紀彦建築設計事務所を経て、2008年吉村理建築設計事務所設立。奈良県御所市の町屋を改修し、拠点に。











